花ひらき、今ここを天国に。
今回は、お勧めの本「ゲド戦記」の1巻「影との戦い」ご紹介します。
自分の嫌いなところ(シャドー)で悩んでいる人に、特にお勧めです。
ゲド戦記は、ジブリのアニメ映画にもなっているのでご存じの人もいるかもしれませんね。
※ゲド戦記はジブリアニメになりましたが、原作の内容とはかけ離れたものになっています。
原作を映像化はかなり難しいのでしょう。
「ゲド戦記」は、魔法使い見習いの少年ゲドの成長の物語。
「ゲド戦記」はユング心理学の人の成長を元に作られています。
一巻は「影との戦い」。
自分の闇(シャドー)に気づき、受け入れ、統合するプロセスのお話です。
シャドーとは、心の暗部。
ユングは、「無意識の中にある否定されるもの」を「影シャドー」と名づけました。
シャドーは、私たちが自分自身から排除、拒絶、隠蔽し、他者に投影している自分の側面です。
排除、拒絶、隠蔽しているので無意識(潜在意識)にあり、意識(顕在意識)では気づいていません。
ところが、私たちはシャドーを人に投影します。
人間関係で「あの人嫌い!」と思うことがあります。
嫌うのは、自分のシャドーをその人を通して見ているからです。
ゲド戦記の少年ゲドも同じように、そんな面(シャドー)は自分にはないと思っています。
でも、シャドーが影となりどこまでもゲドを追いかけてくるのです。
ゲドが逃げても逃げても追いかけてくる。
そして、ある時ゲドは気づきます。
逃げても逃げても追ってくる影は自分が生み出したものだと。
そして、追ってきた影を「おまえは私」と抱きしめ受け入れていくのです。
私は、最後の「おまえは私」と影を抱きしめる場面が大好きです。
少年ゲドが、自分の最も認めたくない自分を認める。
それも、「おまえは私」と抱きしめる。
これを青年期に出来る人って、現実的には少ないだろうな・・・と世の中を見ていて思います。
でも、それが出来るゲドだから魔法使いになれるのでしょう。
自分のシャドーを受け入れていく。
これは、人間関係で悩む時、必ずと言っていいほど通るプロセス。
「あの人の嫌いなところ、よく考えたら自分にもあるよね・・・」と気づくことありませんか?
そして、自分のシャドーを受け入れることは、自分をまるごと愛すること。
自分を無条件に愛することです。
そしてまた、自分のシャドーを受け入れられる人は、人のシャドーも受け入れられるようになります。
心が成長するわけです。
そしてそれは、愛が大きな人になること。
自分のシャドーを受け入れていくことは、心が成長し、愛が大きな人になることなのです。
ゲド戦記を読むことで、シャドーを受け入れる助けになるかと思います。
誰の中にもシャドーはあります。
ただ、自分のシャドーに気づくかどうか。
そして、シャドーを受け入れるかどうか。
それが、心の成長、愛が大きな人になれるかどうかなのでしょう。
ゲド戦記は図書館にあることが多いです。
お近くの図書館にないか調べてみてくださいね。